お店により、表装仕上げ工程は微妙に順番が違うと思いますが、尚仙堂では仕上げ作業の一番最後に中軸(下軸)を取り付けます。最終作業なので失敗すると今までの苦労が台無しになるので、額に汗をかくほどに緊張します。この作業が終われば、実際に表具を掛けて不具合が無いか、最終点検をします。
軸袋側の接着
軸袋に濃い糊を付けて真っ直ぐ筋のとおりに貼り、ヘラあてをします。(写真:1)
表に返して、裂地側も筋のとおり真っ直ぐに折り、定規で抑えます。(写真:2)
軸先の左右の出が均等であるかを確認し、僅かな軸棒の反りをも加味した上で、歪みの無いように軸棒をしっかりと固定し、軸袋の方から濃い糊を均等に付けます。(写真:3)
濃い糊を付けた軸袋を軸棒に貼り付けます。(写真:4)
裂地側の接着
裏に返して、裂地側に均等に濃い糊を付けます。仮止めします。(写真:5)
さらに表に返して、真っ直ぐに貼ります。(写真:6)
象牙のヘラでしっかり定着させ、完成です。(写真:7)
簡単そうに見えますが、真っ直ぐ綺麗に付けるには相当熟練が必要です。
尚仙堂ぴーちゃん
軸棒付けに要する作業時間は僅か15分位だと思いますが、ものすごく緊張します。極上の緊張感です。