私たち表具師にとって、仕事に欠かせない大切な道具「刷毛」。刷毛は、日々使うことによって毛先が徐々に磨耗していく消耗品。毛の部分は狸や貉、馬、鹿、羊、山羊など動物の活毛でできており、これらの動物の恩恵により、私たち表具師の日々の仕事が成り立っています。
使い切って役目を終えた「刷毛」の恩恵に感謝の念を捧げ、活毛の提供者である「動物」たちの霊を供養するため、私の所属する京都表具協同組合では、臨済宗大本山 南禅寺において昭和32年以降、毎年8月1日に「刷毛供養会」を執り行なっており、今年で66回目となりました。
尚仙堂ぴーちゃん
今年は熱中症警戒警報が発令され、ものすごく暑かったです。毎年8月1日に供養するのは、私たち表具師の役目だと思い参加しています。これからも刷毛を大切に使います。